スタッコ仕上げ外壁のアスベスト分析用試料採取

スタッコ仕上げは、モルタル壁など湿式工法の壁面に模様を付ける際に採用される手法で、サイディング外壁が一般的になったことやモルタル壁でも有効な仕上げ塗材の登場によるスタッコ仕上げは減っているといいます。しかし、アスベストが使用されていた時代はスタッコ仕上げで行われることも多く、分析で使う試料採取は注意が必要です。スタッコ仕上げでは、上塗り材があるケースとないケースがあり、上塗り材がある場合でも仕上げ塗材層全体に占める質量比は僅かなものしかありません。これに対して厚付け仕上げ主材層は厚みがあり、組成も均一になっているので、主材層を部分的に採取することでアスベスト分析のサンプルとして有効です。

しかし、厚付け仕上げ塗材層および下地との界面で剥離することは非常に困難で、塗り替えなどの改修工事が行われた場合は試料を採取してから簡易補修が必要です。なお、改修や解体などに関係なく塗材の種類および工法が部位などにより異なるケースや棟により施工業者が違う場合など、アスベストの分析用試料は個別に採取が必要です。再塗装など改修工事で、塗材部分に亀裂および部分的な剥離がないときは、調査対象は仕上げ塗材のみです。しかし、アスベスト分析を行う場合は実体顕微鏡を利用して表面から各層を順番に観察して、下地調整塗材の上側までを対象範囲にします。

なお、実体顕微鏡などを使って下地調整塗材が混じらないよう、カッターナイフなどで事前に除去を行ってからアスベストの分析試料にすることも大切です。

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